テオフラストス
《テオフラストス》
古代ギリシャの哲学者でアリストテレスの弟子。
植物を系統だって分類し「植物誌」を著し、「植物学の祖」とよばれています。
「植物誌」は徹底した自然科学者としての観察眼をもって書かれ、近・現代の植物学の基礎となっています。
植物が 本来の姿をなし、実をつけ 彼のいうところの「その植物になるため」にはその植物の「自然体・本性」に準じることである…とし、徹底した観察を重視したといわれます。
ギリシャ哲学の真髄は「人間観察」なのだそうですが、彼は哲学者としての眼を植物にむけたのですね。
ギリシャ人はよく「人間の発見者」と例えられるそうですがテオフラストスは「植物の発見者」といえるでしょう…。
テオフラストスは 師アリストテレスから学びました、「観察すること・発見する喜びが 知を愛することである」と。
哲学とは(philo(愛)フィロ+sophia(知恵)ソフィア→philosophy(愛知)フィロソフィー)
…というくだりは以前から知っていましたが、彼の哲学者として「人さまざま」という著書があることを知りませんでした。
日常のギリシャ人の生活シーンから 人間の望ましくない本性を その人の深層心理を見抜くかのように綴っているそうです。
「粗野な人」「へそ曲がりな人」など どうしようもない気質・性格でありながら それは認めざるをえない人間の本性であり、ありのままだからこそのおもしろみがある…という描き方になっているようです。
身近な植物・近くにいる親しい人・神秘的なもの・この世の美しいものへのテオフラストスの賛美は たぐいまれなる才能とあいまって 今に伝えられることとなったわけです。
…天才だ…。